バレンタインが近付くと手作りチョコのレシピを検索する人が増えます。
レシピに出てくるのがクーベルチュールチョコレート。
クーベルチュールチョコレートと市販で売られているチョコレートの違いは?
クーベルチュールチョコレートは市販のチョコレートで代用できないの?
クーベルチュールチョコレートとは何?何処で買えるのか?
そんな疑問ありませんか?
製菓材料卸業の経験からアドバイスさせて頂きますね。
クーベルチュールチョコレートは市販のチョコレートで代用できないの?
バレンタインーに今年は手作りチョコを作ろう!
そう思いレシピを検索。
すると、レシピに出てくるのがクーベルチュールチョコレート。
最近は、入手しようと思えば一般のご家庭でも通販サイトで簡単に購入できますが、家庭用サイズとなるとお値段もウォー!となります。
業務用と家庭用ですからその辺は仕方ないかな。
でも、まだまだポピュラーな商品ではないので、スーパーで手に入るかと言うと難しいかも。
そこで考えるのが、いつも食べている市販のチョコでの代用じゃないでしょうか?
市販のチョコとの代用
結論、代用出来るか出来ないか?
出来ます!
但し、名称ががチョコレートと表記されているものを選びましょう。
また、ミルクチョコレートではなくスイート系(ブラックチョコ)を選んでください。
名称が準チョコレートと表記されている物を選んではいけません。
クーベルチュールチョコレートと市販のチョコレートでは、風味やくちどけなどの差は否めませんがほとんどのレシピで代用する事は出来ます。
そもそも、一般的な洋菓子店では生チョコやガナッシュなど生クリムと合わせるものや、生地に練り込むものにはクーベルチュールは使いません。
クーベルチュールはトリュフのコーティングや型抜きチョコに適しています。
原価的なこともありますしね。
勿論クーベルチュールを使うお店もありますよ。
市販のチョコレートもテンパリングは必要?
名称がチョコレートとなっている物は、溶かして型抜きにする場合やお菓子にコーティングする場合はテンパリング作業が必要になります。
ガナッシュや生チョコなど生クリームに合わせるもの、生地に練り込むものにはテンパリングは不要です。
テンパリングとは、チョコレートの成分の分子構造を整える温度調整作業の事。
チョコレートが溶けて固まると白っぽくなることがあります。
これがファットブルームです。
これは、カカオバターの結晶が壊れて起きる現象で、食べても害はありませんが、口どけや風味はかなり落ちてしまい美味しくありません。
その為、溶かしたチョコレートにはテンパリング作業が必要になります。
チョコレートの種類にもよりますが、テンパリングはチョコレートを45℃~50℃まで温度を上げて溶かします。
それを27℃~28℃に下げ、さらに32℃くらいまで加温し、テンパリング完了です。
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湯煎でチョコレートを溶かすのが一般的ですが、この時に水分が入らないように注意してください。
水分が入るとシュガーブルームを起こしてまいます。
また、チョコレートの保管にも注意!
冷蔵庫などでチョコレートを保管した場合は特に注意が必要です。
急激な温度変化によって、チョコレートが汗をかいた状態で作業してしまうと、シュガーブルームの原因になります。
シュガーブルームを起こした場合、テンパリングでは元に戻せません。
ガナッシュや生チョコなどに利用する事をおすすめします。
クーベルチュールチョコレートと市販で売られているチョコレートの違いは?
大きな違いは成分です。
クーベルチュールチョコレートには国際規格があります。
総カカオ固形分35%以上、カカオバター31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂は使用不可。
添加物はレシチンと香料はバニラのみ
という厳しい国際規格をクリアしたチョコレートのみクーベルチュールと表記できるようになります。
カカオおよびカカオアバター分が占める割合がとても高いため、カカオ本来の風味が楽しめ、口溶けよくなめらかで、美しいツヤのあるチョコレート菓子に仕上がるのです。
別名カバーチョコともいわれており、カカオバターが多い分コーティングに向いている製菓用のチョコレートです。
市販のチョコレートは、そのまま食べて美味しいように調整されています。
カカオバターは高価なのので、代用の植物油脂(パーム油・ヤシ油等)を使用し、香料(バニラ以外)を添加しています。
チョコレートの美味しさは、カカオ分(カカオマス・カカオバター)によります。
クーベルチュールチョコレートと市販のチョコレートでは、明らかにカカオ分が違い、甘さも違ってきます。
見た目だけなら、市販のチョコでも代用は出来ますが、折角手作りチョコを作るなら製菓用のチョコレートの利用をおすすめしたいですね。
クーベルチュール以外の製菓用チョコレートの規格は
総カカオ分35%以上、ココアバター18%以上、固形カカオ分17%以上
ショ糖以外の糖類は使用不可で、使用する量が全重量の55%以下であること
代用油脂の使用不可
乳化剤のレシチン(添加量は0.5%以下であること)、香料のバニラを除いた添加物は認められない
という規格があります。
業界では、本チョコ・純チョコ・ピュアチョコなどと呼ばれていて、ガナッシュや生チョコ、その他のお菓子にはクーベルチュールより使われています。
市販のチョコレートでも準チョコレートもあります。
総カカオ分15%以上、ココアバター3%以上、固形カカオ分12%以上を含む
代用油脂を15%以上を含む
水分3%以下であるもの
こちらは、業界では洋生チョコと言われ、ドーナツなどのコーティングチョコとして使われています。
テンパリング不要なチョコですが、クーベルチュールの代用は不可能です。
クーベルチュールチョコレートは何処で買えるの?
バレンタイン時期など大手のデパートやスーパーでも購入できるところもあるようですが、ネットで購入される方が便利だと思いますよ。
近くに製菓材料店があれば良いのですが、量の問題もあるし小分けされていれば価格も高いですしね。
ネット購入なら、種類も豊富でいろいろ選べます。
国産の製菓用クーベルチュールチョコレートは、不二製油・大東カカオ・日新化工(NK)が業界では使われています。
輸入ものだと、フランス(カカオバリー・ヴァローナ)スイス(カルマ・スシャール)ベルギー(カレボー・ベルコラーデ)などが代表的ですね。
甲乙と言う事ではなく、それぞれの製造技術やカカオの配分により、味・風味・作業能率に差が出るものです。
一般の方向けにおすすめな製菓用チョコレートを紹介させていただくと、不二製油・大東カカオの製品がよろしいかと思います。
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是非、美味しい手作りチョコを作ってください!
